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話せない日だってブルーじゃない

かわいいはわたしを救う

アンジュルム主演 演劇女子部「モード」

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わたしはこの演劇女子部という企画がとても好きです。
男性役もすべて女性が演じていること、そのほとんどが10代~20代前半で構成されていることによって独特の雰囲気が生まれていて、
それはひとことで言うと王道の"少女漫画"のような。

まだ社会に出ていない少女たちのふわふわした憧れや夢やあれやこれやを詰め込んだ少女漫画。
でも少女漫画の中にだって現実はある。痛みはある。
甘いお砂糖まぶして可愛くデコレーションすることで逆に浮かび上がってくる苦さもある。

スマイレージ時代から数えるとアンジュルムが演劇女子部に出演するのは「LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-」「SMILE FANTASY!」に次いで3回目で、
どちらも本当に本当に素晴らしく完成度の高い大好きな作品なんですが…
今回はこれぞ演劇女子部!って作品をようやく観られたのがすごく嬉しい!

夢、夢、夢、の連呼に少しアレルギー反応を起こしてしまったけど、それも含めてあぁ、良いなぁ、と思った。
わたしはいつの間にかもう少女漫画の世界の住人ではなくなっていたことを改めて突き付けられた気がした。


舞台上は裏表のあるパネルが頭上に浮かんでいてストーリーと共にひとつずつひっくり返していくのですが、
そうしてステージ上が色づいていくのと連動してあやちょ演じる弥生の着ている服も鮮やかなものになっていくの、舞台ならではの表現方法でとても良いなと思いました。
最後のカーテンコールで初めてポスターと同じカラフルなワンピースに髪を下ろした姿で出てくるんです。
そのことから見ても、やっぱりこれは美智子と弥生、ポスターに載っているふたりが"本当のわたし"を見つけていく物語だったのだと感じました。


あとこれについてはいろんな意見の人がいると思うけど、
わたしはアイドルグループ主演で舞台をやるんだったら実際の本人たちの関係がどこか透けて見えたり、
つい重ねたくなってしまうことも醍醐味のひとつだと思っているので、その面でも良い舞台だったなぁー。

男社会の中でただひとりの女性編集部員として奮闘する弥生を理解者として支えるのが、実際のアンジュルムでもサブリーダーのふたりだったり、
対立する美智子と華子役が、ただ舞台に立っているだけで目を引く華やかさは同じなのに、朝顔と向日葵みたいに違った輝きを持つかみことりかこだったり。
(そんなかみことりかこが現実では年齢や加入した期を越えてめちゃくちゃ仲良しだったり!)

もちろんグループを知らない人が見ても楽しめることは大前提の上で、
アンジュルムを好きな人が見ればさらに愛が深まるような小さなヒントが散りばめられていて楽しかったです。


個人について。

【美智子 役/上國料萌衣
とにもかくにもまず歌声が素晴らしい!これに尽きる!
素直でまっすぐ音に声を乗せていて、それでいて有無を言わさず耳に届く力強さもあって。
同様の魅力が演技にもありました。ほんと今までどこに隠れてたのかみこ!!

【桜 役/中西香菜
かななんはいつの間にこんなに大きく頼れる人になっていたんだろうか…!
登場してすぐ低い声で歌い始めるのがすっごくかっこ良くて、同じくらい可憐で可愛らしくて!
きっと出会ったすべてをひとつひとつ丁寧に噛み砕いて自分のものにしてきたかななんだからこそ、ここに辿り着いたんだなぁ…。

【孝太郎 役/竹内朱莉
心に秘めた覚悟があったとしてもそれを前面に出さないで、
気負いなくスッと闘う女の子たちの中に入って一緒に何かを成し遂げようとする男性がいること、
それを朗らかでやわらかなタケちゃんが演じること、すごく意味があったと思う。
(あと後半で副編集長の傍若無人な言動にぶっきらぼうに返す孝太郎、リアルなかっこ良さでした好きです。)

【愛子 役/勝田里奈
ランウェイの真ん中で、この小さな顔を見て、つぶらな目を見て、長い足を見て、かわいいでしょ!って歌う愛子ちゃん、
ほんとにめっちゃかわいくて泣きそうになった。鼻につーんとくるかわいさ…。
舞台期間中に更新されたブログがどれもこれもさりげないように見えてじんとくる素敵なものばかりだった!

【華子 役/佐々木莉佳子
冒頭から自信に満ちあふれた強い言葉を投げ続ける女の子だけど、
元来りかこが持ってる不思議な面白さが(たぶん本人も意図しないところで)ひょこっと顔を出していて、
それが華子の頑なさも若さや向上心ゆえのものだという風に見せていたと思います。
いちばん最後に笑いを誘うセリフを言うのが華子であるところも、
この先の未来に成功が待っていることを予感させる終わり方に感じて好きでした。

【良子 役/相川茉穂】
個人的に助演女優賞を贈りたい!最高のコメディエンヌっぷり!
まほちゃんのもともとのキャラクターを踏まえた上で生まれたと思われる役ではあるけれども、
それだけじゃなくてきちんとまほちゃんが"演じる"ことによって客席に笑いを起こしていて、本当に最高だった…!良子さんんん~!

【実 役/室田瑞希
ステージに立つことに対してとても誠実に向き合っていて、でも普段はノリが良くて軽快なむろが演じていたからこそ、
ヒロインの許嫁として魅力的な人になっていたと思います。
驚き方とかアニメみたいな動きするんだけど変に浮いてなくて絶妙で面白いんですよね…!
まだまだいろんな引き出しを持ってるはずだからどんどん見せて欲しい!

【かよ 役/笠原桃奈】
歌って踊って演じることが楽しくてしかたがない!って気持ちが身体中からキラキラこぼれ落ちてるのが見えそうなくらい、
とにかく生き生きしていて気付いたら目が離せなかったです。
カーテンコールで出演者ひとりひとりがランウェイ歩くところ、
後ろでにっこにこしながら手拍子してるのがめちゃめちゃ愛くるしかった…。
心優しくて生真面目でどこかちょっとズレてるかよ、しっかり存在感を残していました。

【弥生 役/和田彩花
みんなを守りながら先頭で闘うかっこいい女性だけど、
フリルの付いた白いワンピースを闇雲に憎んでいるところにまだ若くて未熟な部分を感じたのは裏を読みすぎですかね…?

夢の前に立ちはだかる幾重もの大きな壁に果敢に挑んでいく弥生の姿は、どうしても演じている本人と重ねたくなってしまったし、
ブログを読んでいるとあやちょ自身もそう感じているようでした。

その壁のひとつはモデルという職業についてどう思うかと尋ねられた実が答える、
「モデルなんてのは誰にでも出来る、ただにこにこ笑っているだけのマネキン」この言葉に集約されています。
くっそー!見返してやる!って悔しさをバネに突き進んでいく弥生はやっぱりあやちょにしか見えなかった。

わたしはどうしてもあやちょのファンでアンジュルムが好きで、この視点を外すことは出来なくて。
だから自分を信じている強く美しい弥生が声を震わせて弱音を吐くシーンはひたすら胸が痛かった…
そして、ひとりで闘っていたつもりだったけどそうじゃなかった、これからはみんなで夢を叶えよう!
なんてあやちょとアンジュルムに言われたら、わたしはただその物語を最後まで客席から見届けたいと思う。


じんわりといつまでも心の中に小さなあたたかさを灯すような、素敵な舞台をありがとうございました。

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